ネットを使って快適な学習環境を実現した通信制大学

インターネットの利点を使ったサービスはさまざまありますが、現在その中でも注目されているものの一つが通信教育ではないでしょうか。働きながらでも講義を受けることができる通信制大学に、魅力を感じている人も多いと思います。通信教育がどのように移り変わり現代のような形になったのか、ご説明します。

通信教育の歴史と移り変わり

今でこそスマホで講義を受けることができる通信教育ですが、昔はどのように受講していたのでしょうか?まずは、通信教育の始まりから確認しましょう。

通信教育の始まり

大学通信教育の元となったといわれている「校外生制度」は、1880年ごろの明治時代に生まれました。各学校によって設けられ、通学の必要がありませんでした。大学が遠い地方の人や、労働によって通えない人たちに向けた、貴重な教育の機会だったのです。講義の内容がまとめられた「講義録」によって科目を修めるという仕組みで、入学試験や制限などはなかったそうです。ただし、試験やスクーリングはないので、あくまで一方的な教育でした。

「大学通信教育」の制度化

現在のような形態の大学通信教育は、1947年の「学校教育法」によって定められました。同年、法政大学により初めて大学通信教育の課程が開講し、他の大学にも同じ動きが広がっていったそうです。当時の開講は各大学の基準に沿ったものでしたが、1981年にはより詳しく制度化され、設置基準が定まりました。

インターネット以前の通信教育における困難

大学通信教育として正式に成り立ったものの、インターネット以前の通信教育というのは、郵送を使って物理的に書類やテキストのやり取りをする効率の悪いものでした。授業内容で疑問点があっても、すぐに解決することはできません。また、どちらかからの一方通行でしかアクションは行えず、受講生側としても続けるのには並大抵ならぬやる気を必要とされました。人間、楽な方に逃げるものですから仕方ありません。現状維持を決め込んだ時点である意味後退が始まるというのに。

インターネットによる通信教育の変化

一方通行でしかなかった通信教育は、インターネットの登場によって、相互性のあるインタラクティブなやり取りができるようになりました。またデータを瞬間的に送り合えるようになり、リアルタイムにインタ―ネットの中でやり取りが行えるようになりました。インターネットの登場によって、自宅でも十分に学校と同じ環境が整ったということです。

スマホによってより便利に

近年では、デバイスの進化もあり、いまやスマホでインターネットをする時代です。自宅にあるパソコンよりも、スマホをいじっている人間の方が多いというぐらい身近な存在に成長しました。現在のスマホは、下手なパソコンのスペックを余裕で超えるほどに高いスペックを持っており、スマホを使って授業を行うことも可能になりました。職場や育児で忙しい人でも、スキマ時間にさっと受講することができるのです。実際に、東京通信大学という「働きながら通える大学」をキャッチフレーズにした大学も登場しております。

1回約15分の講義動画で繰り返し学習することで、こちらで学べるコースでは資格取得までを目指します。資格取得のためにはスクーリングも必要になりますが、基本はインターネットでの授業で学習を進める形です。また、通信制大学なので費用も安く、入学から卒業まで62万円程度だそうです。高卒で終わってしまったという人でも大学資格取得ができるためチャレンジするという人も多いそうです。

インターネットを利用した通信教育での注意点

利点の多いインターネットですが、だからこその注意点もあります。単位を修め卒業するためにも、確認していきましょう。

はっきりとした目的を持つ

現代の通信制大学では、スマホやパソコン一つで簡単に受講することができます。簡単だからこそ、気軽な気持ちで通信制大学を選択する人も多いそうです。楽な方に逃げ、「家にいたいから」「遊びやバイトを優先したいから」という理由を第一にすると、単位を修めることは難しいでしょう。何を学びたいのか、どう活かしたいのかという目的をはっきりと持てば、自然に勉学に励む姿勢が整います。例えば、講義を踏まえての資格の取得や、卒業後に就く仕事に関しての具体的な目標があると良いでしょう。

スマホの通信量をチェック

スマホで授業の動画を観る場合は、通信量に注意しましょう。気軽に受けることができるネットでの講義ですが、Wi-Fi環境でもないのに何度も見てしまうと危険です。通信量が膨大になり、制限がかかってしまうことも。スマホは現代のライフラインともいえます。自身のスマホの契約内容や周辺のWi-Fi環境をチェックしておくと安心です。

まとめ

タブレットとデータ
インターネットやデバイスの進化で、通信教育は大きく変化しました。昔は本としてまとめられた講義内容でしか学習できなかったのに、いまやスマホ一つで大卒の資格を得ることまでできるのです。未来の学習の在り方は、更に飛躍するでしょう。